腫瘍
肝臓の腫瘍(肝細胞癌)
今回の症例の子は10歳のヨークシャーテリアの女の子です。
いつもは元気いっぱいで食欲も非常に旺盛な子ですが、珍しくごはんを残したのとお腹が張っているとのことで来院されました。
血液検査では、軽い炎症くらいで大きな異常はありませんでしたが超音波検査を行ったところ肝臓に塊状の腫瘍を疑う所見が確認されました。転移、位置の確認のためCT検査を実施したところ肝臓の外側左葉に塊状の病変が確認されました。
↑ 超音波検査の画像
↑ CT検査の画像(黄色矢印の部分にある丸い塊が腫瘍です)
幸いCT検査上では明らかな転移はみとめられなかったので、飼い主様と相談し肝臓腫瘍摘出手術を実施しました。
肝臓の腫瘍はかなり腫大していましたが周りの組織との癒着はほとんどみられず、腫瘍組織部分のみを摘出することができました。
病理検査の結果は「肝細胞癌」と診断されました。
術後は食欲もすぐ戻り、現在は術後半年近く経ちますが転移、再発もなく元気に過ごしています。
今回の子のように肝臓の腫瘍は種類にもよりますが、かなり大きくなるまで症状もあまりないケースがあります。そのため普段と少しでも変わった様子や気になることがあるようでしたらいつでもお気軽にご相談ください。