消化器
おもちゃのロープ誤食(内視鏡により摘出)

生後9ヶ月のラブラドールレトリーバー(雄、体重27.3kg)が頻回の嘔吐をするとのことで来院しました。

飼い主はロープのついたおもちゃを食べたのではないかと心配していました。

おもちゃを食べたかどうか不確実な為、初めにレントゲン検査で上腹部の様子を診ました。

レントゲン検査では上腹部特に胃から十二指腸にかけての部分にエックス線不透過物があり異物による消化管閉塞が疑われました。

通常異物を食べたことが疑われる場合は吐剤(吐かせる薬)を投与して吐かせることもありますが、今回は来院前にすでに何度か嘔吐をしているため異物を吐かせるのは困難と判断しました。

そこで内視鏡により異物の消化管内での様子や位置を確認して除去方法を検討することにしました。

 

内視鏡により胃の幽門部から十二指腸にかけておもちゃのロープが詰まって消化管を閉塞していることが確認できました。

異物を内視鏡により除去することは動物の大きさ、異物の形状、異物の大きさ、閉塞箇所により困難な場合もあります。

今回は運よくかなり困難でしたが内視鏡により取り出すことができました。

生後1年以内の仔犬の場合、特にいろいろな異物を誤飲してしまうことがあります。

犬の生活範囲内に飲み込む可能性のある物を極力置かないようにしてください。

今回のように動物用玩具でも誤飲する可能性はありますのでご注意下さい。

吐かせることができなかったり内視鏡で取り出せない場合は開腹手術により除去する場合もあります。

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