肝臓・胆嚢
胆嚢粘液嚢腫

胆嚢粘液嚢腫はムチンを多く含んだ粘性の高い粘液が蓄積して胆嚢が拡張している状態です。この粘液が胆道系を詰まらせてしまうと、胆嚢が穿孔、破裂してしまうことがあります。

症状は嘔吐、食欲不振、元気消失、腹部痛などさまざまです。また、胆道系の閉塞がある症例では黄疸がでることが多いです。

治療方針としては明らかな症状が認められる場合は外科療法(胆嚢摘出術)を第一選択としています。無症状の場合のみ内科療法も視野に入れて飼い主さんと相談いたします。

 

<症例>

犬種:ヨークシャーテリア  年齢:7才10ヶ月  性別:避妊雌

主訴:頻回嘔吐、元気消失

血液検査では肝酵素(GPT,ALP,AST)の顕著な上昇、総ビリルビン値の上昇がみられました。遠心分離後の血漿の色からも黄疸が確認できました。またCRP(炎症蛋白)の顕著な上昇がみられました。

超音波検査から胆嚢粘液嚢腫と総胆管の拡張、胆嚢周囲にわずかな液体貯留がみとめられました。

以上の検査結果から「胆嚢粘液嚢腫による総胆管の閉塞とそれによる胆嚢破裂によって腹膜炎をおこしている」と考えられました。

胆嚢破裂のため外科療法(胆嚢摘出術)を提案させていただきました。

 

胆嚢摘出の手術を実施したところ、胆嚢は破裂しており、漏れ出た胆汁により重度の腹膜炎を起こしていました。

胆嚢を摘出し、腹腔内を洗浄し閉腹しました。

術後は徐々に総ビリルビン値、炎症が改善していきました。

 

この病気は胆道系の閉塞や、胆嚢の感染、炎症がない状態では症状がないことが多いです。そのため健康診断などで偶然みつかるケースも少なくありません。またこの病気は中高齢の犬に多いため、年齢が上がってきたら定期的な健康診断をおすすめします。

カテゴリー
  • 症例紹介 (14)
  • BLOG (26)
  • ページの先頭へ