名古屋市千種区動物病院【希望ヶ丘動物病院】
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■ 子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、子宮内に細菌感染を起し大量に膿汁が貯留する病気です。
子宮は妊娠すると中で胎児を育てる器官なので内容量が多く想像以上に大量の膿汁が貯留されます。
子宮内の細菌感染は卵巣からのホルモンの異常により子宮内膜が増殖し分泌物が多くなることにより引き起こされます。
子宮蓄膿症になると、腹部が大きくふくらんでくる、嘔吐をする、多飲・多尿になる、食欲不振で元気がなくなる、外陰部から膿汁が出るなどの症状があります。しかしこれらの特徴的な症状がわかりにくい場合もあります。また飼い主が外陰部からの異常な分泌を発情出血と思っている場合も多くあります。
この病気は未経産または長期間お産していない高齢の犬・猫に発症しやすい傾向があります。
子宮蓄膿症は放置しておいたり、発見が遅れたりすると死亡する場合もあり、また重篤な腎臓病が後遺症となる場合もあります。
動物病院では症状、血液検査、レントゲン検査、超音波画像診断検査などにより子宮蓄膿症をほぼ正確に発見診断できます。
子宮蓄膿症の治療は外科手術による子宮・卵巣摘出術が最良とされています。
抗生物質などにより一時的に症状が緩和されても卵巣からの異常ホルモンがなくならない限り完治しません。
繁殖を希望しない場合は若いうちに避妊手術をしておくと高齢になってから子宮蓄膿症になることはありません。


猫の子宮蓄膿症

チンチラ  雌 8歳  名前:プリン
1ヶ月ほど前より外陰部から少しづつ膿汁が出ていましたが食欲もあり元気そうでした。
病院来院2日前より食餌を食べなくなり元気がなくなりました。
当院でレントゲン検査の結果腹腔内に著しく拡張した子宮があり、子宮蓄膿症と診断され、子宮卵巣摘出手術を行いました。
この猫は体重2・85Kgでしたが、摘出された子宮は420g(体重の14.7%)もありました。
写真の正常子宮(これでも発情中なので少し拡張している)と比較しても著しい拡張具合がわかります。
子宮を切開すると中から大量の膿汁が出てきました。
細菌感受性検査により抗菌剤を選択し、充分な点滴など術後治療をしたうえ、元気に退院しました。


猫の卵胞嚢腫

ロシアンブルー  雌  11歳5ヶ月 名前 グレ

3ヶ月前に飼い主が転居しましたが、その頃から発情期独特の鳴き声が続くようになりました。
3ヶ月にわたり発情期が続いたため飼い主より避妊手術を依頼されました。
長期にわたり発情状態が続く時は卵巣からの異常ホルモンの影響がある場合があります。

避妊手術により卵巣、子宮摘出を行ったところ
左の卵巣に卵胞嚢腫という大きな水疱がありました。
正常の性周期では発情期の卵胞は排卵して水疱はなくなるのですが
卵胞嚢腫では卵胞が排卵せずに大きな水疱となり
多量の卵胞ホルモン(エストロジェン)を分泌します。
そのため発情状態が長く続いたものと思われます。

卵胞嚢腫は卵巣からの多量の卵胞ホルモンを分泌することにより
子宮蓄膿症乳腺炎膣粘膜の増殖乳腺腫瘍などを併発する場合があります。
この症例の猫でも乳腺炎を併発していました。
発情期が異常に長期にわたる、発情出血が異常に長く続くなどの時
この卵胞嚢腫の場合がありますので注意が必要です。

今回は飼い主の依頼で避妊手術をすぐにしたためにホルモン検査はしませんでしたが
血液中の卵胞ホルモン(エストロジェン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)
を測定することにより、異常ホルモンの有無を推定することが可能です。
この症例猫グレは避妊手術により卵巣よりの異常ホルモンの分泌がなくなり
発情の鳴き声も止まり、乳腺炎も治癒しました。

 

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